元アップルの天才UIデザイナーMike Matasの経歴と作品まとめ
初期iPhoneのインターフェースデザインを担当したことでも有名なMike Matas(マイク・マタス)。彼が生み出してきたインターフェースは、今日のタッチデバイスUIの礎を築いたといっても過言ではありません。そんな彼の現在までの経歴と代表的な作品を備忘録してまとめたのでエントリしておきます。
2001年〜2004年/The Omni Group
Mike MatasがUIを主に担当するようになったのは2001年(Mike Matasが15歳の時)。The Omni Groupというシアトルにあるソフトウェア開発会社に在籍した時のようです。この会社でMike Matasが担当した作品は残念ながら見つけられませんでした。。
2004年1月〜2005年8月/Delicious Monster
Mike MatasはThe Omni Group在籍時に出会ったWil Shipleyとともに立ち上げた会社Delicious MonsterでMac向けのアプリケーションDelicious Libraryをローンチ。UIを担当します。Delicious Libraryは自分の所有している本や映画(DVD)、CD等を管理できるアプリケーションで、2007年にApple Design AwardのWinnerに輝いています。
こ、これは。。ご覧の通り、iOS6時代のNewsstandはDelicious Libraryがベースとなっているのは一目瞭然ですね。
2005年8月〜2009年8月/Apple Inc.
Delicious Libraryが評価されたのでしょうか?2005年にアップルへと籍を移します。アップルでは、まず、Photo BoothのUIを担当しています。Photo BoothはMac内臓のカメラで撮影された写真に、さまざまなエフェクトをかけられるMac OS X v10.5 Leopardのバンドルアプリ。今で言うとInstagramにソーシャル機能が無い感じです。InstagramのUIもPhoto Boothがベースになっているのかな、、と勘ぐっちゃいたくなるほど完成度の高いデザインですね。
同じく2007年にOS X用のバックアップソフトウェアTime Machineを担当しています。
その後、iPhoneやiPadにバンドルされているバッテリーアイコン・設定画面・写真・カメラ・地図などの重要なアプリのUIを担当しています。これらのインターフェースを見ていると、iOS6まで採用されていたスキューモーフィズムな装飾こそ無くなりつつありますが、設定画面のスイッチングや、地図アプリのピンの採用など、ベースとなるデザイン設計は今日まで受け継がれているような気がします。
2010年2月〜2011年8月/Push Pop Press
2009年8月にアップルを退社後、Push Pop Pressを立ち上げます。Push Pop PressではAl Gore(アル・ゴア)の「私たちの選択」を電子書籍としてリリースしています。こちらの詳しい説明はMike Matas本人がTEDで説明していますので、ご覧いただけると大変わかり易いかと思います。
電子書籍としての特徴を活かした作りになっているのはもちろんですが、この動画を見て印象深かったのは表紙・記事・記事内の写真や動画の関係性が明確であること。特に記事内の写真の拡大(または縮小)時のインタラクションは、その特徴が明示的に表現されており、細かなところまで考えこまれた素晴らしいデザインだと感じました。
2010年9月〜2011年8月/Nest Labs
この間にNestのサーモスタット(温度調節装置)のデザインもしています。この当時、NestのCEOはiPodの発案者でiPod部門担当上級副社長だったTony Fadell(トニー・ファデル)です。Mike Matasへの発注はTony Fadellの意向が強く働いたのかもしれませんね。
2011年8月〜現在/Facebook
Mike Matasが立ち上げたPush Pop Pressは2011年にFacebookに買収されることになり、Mike Matas本人もFacebookで働くことになります。そこで担当したのがFacebookが発表したPaperです。PaperのiOS版は残念ながら日本アカウントでは使用することができないのですが、以下のコンセプト動画からインターフェースをうかがい知ることができますので是非御覧ください。
触っていないので何とも言いがたいのですがPush Pop Pressをベースにしたアプリといった印象を受けました。ますます使ってみたくなりますね。よくよく調べてみると日本からでもPaperを使う方法があるようですので気になる方は是非試してみてください。
Mike Matasは現在でもFacebookに在籍しているようです。今年5月にFacebookが公開したInstant ArticlesもMike MatasがUIデザインを担当しています。
以上、Mike Matasの経歴と代表的な作品をまとめてみましたが、まさに天才といえる人物であると改めて感じました。あのアップルがMike Matas依存といえるほど、彼のデザインに心酔していたことがわかりますね。Mike Matasの今後の作品は彼のウェブサイトでも公開されていくはずですので興味のある方は是非チェックしてみてください!