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ダズル迷彩

幻惑迷彩 / dazzle camouflage / razzle dazzle
2026-09-10 add 1,001字

第一次世界大戦中に艦船の船体全体に施された、対照色の複雑な幾何学模様による塗装の一種。英語では dazzle camouflage、アメリカ21では razzle dazzle とも呼ばれ、日本語には「幻惑迷彩」という和製漢語の訳語もある。背景に溶け込ませて「隠す」通常の迷彩とは逆に、あえて目立つ模様で船体の輪郭を分断し、敵に進行方向や速度、艦種の判別を難しくさせることを狙ったものだった。

目的と仕組み

当時のドイツ軍潜水艦は、潜望鏡による目視観測から目標の進路や速力を推定して魚雷を発射していた。ダズル迷彩は艦を見えなくするのではなく、船首・船尾の見分けや輪郭の把握を困難にすることで、敵の照準精度を下げることを狙っていた。

考案の経緯

イギリス5人の海洋画家ノーマン・ウィルキンソン(Norman Wilkinson)が1917年に考案したとされる。ウィルキンソンはイギリス海軍予備隊に所属しており、同年春にこの塗装案を海軍本部(Admiralty)に提出、8月に試験を許可された。最初にこの塗装が施された艦は、1917年5月に進水した小型の物資輸送船 HMS Industry とされる。イギリス海軍本部での採用後、アメリカ海軍にも広まり、艦種ごとに模様を統一せず1隻ごとに固有の模様を与えることで、模様のパターンから艦種を推測されないようにしていた。1918年11月までに2,300隻以上の艦船がダズル迷彩を施されたとされ、第二次世界大戦でも限定的に使用された。

効果についての評価

当時のイギリス海軍では、乗組員の士気を高める効果はあったとされる一方、実際に被弾・撃沈を防ぐ効果があったかどうかは当時から議論があった。近年の研究でも評価は分かれている。2011年前後の研究では、ダズル模様が観測者の速度知覚を狂わせる効果を実験的に示した一方、2020年代の研究(Aston大学など)では、実戦で想定されるような距離では速度誤認効果を裏付ける証拠は見られず、当初言われていたほどの効果はなかった可能性が指摘されている。

要確認

  • 動物学者ジョン・グレアム・カーがウィルキンソンに先立って類似の迷彩案を提案していたとする説があるが、両者の提案内容がどの程度重なっていたかの詳細
  • イギリス側とアメリカ側で報告されている被害率の差やその解釈の妥当性
  • 近年の複数の研究間で、効果の有無についての結論がどこまで一致しているか

参照

言及
なし
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