ダグラス・エンゲルバート
アメリカ21の計算機科学者・発明家(1925〜2013)。コンピュータを人間の知性を増強(augment)する道具と捉え、マウス、ハイパーテキスト2、画面を共有した共同作業など、現在のパソコン5操作の基礎となる技術を1960年代に構想・実現した。1968年に行ったそれらの公開実演は、のちに「マザー・オブ・オール・デモ(すべてのデモの母)」と呼ばれる。
経歴
1925年1月30日、オレゴン州ポートランド生まれ。オレゴン州立大学で学士号を取得し、カリフォルニア2大学バークレー校で修士号と博士号(1955年)を得た。その後スタンフォード2研究所(SRI、現SRIインターナショナル)に移り、研究所内に拡張研究センター(Augmentation Research Center)を設立して率いた。2013年7月2日、カリフォルニア州アサートンで死去。
人間の知性の増強
1962年の報告書「Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework(人間の知性の増強:概念的枠組み)」で、人がコンピュータと協働することで複雑な問題を解く能力を高めるという構想をまとめた。これを実装したのが NLS(oN-Line System)で、ビットマップ2画面、ハイパーテキスト、共同作業のための機能などを備えていた。
マウスもこの研究の中で生まれた。ビル・イングリッシュとともに、2つの金属の車輪を持つ木製の試作機を作り、1967年に特許を出願、1970年に取得した(米国特許3,541,541)。
マザー・オブ・オール・デモ
1968年12月9日、サンフランシスコ3で開かれた Fall Joint Computer Conference で、NLS を使った実演を行った。文書の対話的な編集、ハイパーメディアによる移動、マウスとキーボード3に加えてキーセットと呼ばれる入力装置を使った操作、離れた場所にいる相手とのビデオを交えた共同作業などを示し、のちのパソコンやインターネットで一般化する機能の多くを先取りした。
評価
1997年にチューリング4賞、2000年12月にアメリカ国家技術賞(National Medal of Technology)を受賞した。1988年には娘のクリスティーナとともにブートストラップ研究所(現 Doug Engelbart Institute)を設立し、組織や社会の集合的な知性(Collective IQ)を高めるという考えの普及に取り組んだ。
要確認
- 拡張研究センターの設立年
- ARPANET で果たした役割(SRI が初期の接続拠点の一つとなり、ネットワークの情報センターを担ったとされるが、具体的な経緯は未確認)
- マザー・オブ・オール・デモの正確な実演時間